トレランで追い抜きざまに登山者が発した一言にチクリ

トレランは通常の登山の倍以上のペースで移動するため、先行している登山者を追い越す場面が多々あります。
自分はトレイルランナーの端くれとして先行者がいた場合は次の事を心掛けています。
- 人が見えた時点で歩く
- 距離を詰めない
- 譲られるまで追い越さない
- 挨拶・感謝は欠かさない
山では大抵の人は好意的に接してくれますが、
山を走る行為を良く思っていない人は少なくない事を実感した出来事がありました。
追い抜きざまに登山者が発した一言
某山でトレランをしていた時の出来事です。
先がY字の合流の道で、横にパーティ登山者達が見えたので歩きに切り替え、合流に差し掛かった所でリーダーらしき人に道を譲られました。
「ありがとうございます」と言いながら抜かせてもらい、走りを再開した時でした。
後ろの方から自分に聞こえる声量で「転んだら痛いとは思わないんかね」とパーティメンバーの一人が発しました。リーダーらしき人はそれに同調して「そうですねぇ相当痛いと思いますよ」
その言葉を発した胸中は不明ですが、声量や抑揚から”思慮の足りない若者”と言わんばかりの批判的なニュアンスを個人的に感じました。
フィールドは同じだけれどやっているスポーツが違う
登山とトレランは同じフィールドですが、やっているスポーツが違います。
登山の基本は”静荷重静移動歩行法”
登山の基本は”静荷重静移動歩行法”といって静かに荷重移動することで慎重に足を踏みかえていくというものです。息が上がらず会話ができるペースがちょうどいいとされています。
トレランは登山をスピードアップさせたもの
トレランも荷重移動で初動を行う点は登山と同じカラダの使い方ですが、その動作を2倍以上早く行います。そこにさらにスピードを追求するため、地形に応じてストライドを可変させたりピッチを刻んだり、マージンを残しながらもどれだけ削るかといった所でリスク管理を行っています。
自分が山を走る際に意識している事
自分が意識している事としては、靴の性能・足場の摩擦係数に応じて足を置く時間と重量配分を考え、浮石やスリップなどを察知した場合は”膝を抜いて”転倒を回避し、常に3~4歩先の足の置き場を考えながら移動しています。滑落でもしない限り、走り程度の運動エネルギーで転んでも受け身ができればそれほど痛くはありません。失敗したら大傷を負いそうな場所であればスピードよりも正確性に振ります。
トレランは山を走るスポーツ
トレイルランは無謀な危険行為などではなく、瞬発力や判断力を求められる立派なスポーツです。転んだら痛いと思っていたらどんな陸上競技もできません。
その一言を発した気持ちもわかる
山をひーひー言いながら登っている所を、抜かれて走り去られたら誰だって驚きます。
自分も山で70代くらいの人に走りで追い抜かれ、トレランというスポーツを初めて知った時は「なんてクレイジーなんだ」と思いました。
今ではそのクレイジーなトレランに憧れて真似事をやらせてもらっています。身体ができてくれば山を走ることはそれほど難しくありません。誰がなんと思おうが、他人の迷惑だけは掛けないように、”迅速果敢”に”Leave no trace”で山を楽しんでいます。
70代でも元気に山を登れるように、走れる限り山を走ってみようと思っています。
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